今思うこと。

 

 

今年の2月から音を立てるかのように変わっていった生活。

 

バロックダンスを始めて10年、

紆余曲折しながらもやっとの思いで自分自身の道を見つけ始めて6年。

 

一昨年くらいから少しずつ少しずつ撒いてきた色々な種が

やっとやっと小さな芽を出してきて、

あぁ、もう少ししたら蕾ができるかな、

と思った矢先のコロナウィルス。

 

世界中に住んでいる人たち全ての生活があっという間に一変した。

そして私も例外なく、やっと顔を出しそうだった小さな芽がもう一度種の中に潜ってしまった。

 

驚くほど速いスピードで今までの生活の面影もないような生活が始まって、

「不要不急」という言葉で全てが必要なものと不必要なものに分けられて。

 

そして、二言目には

「またコロナが収束したら元どおりになるよ」という言葉。

 

私にはこの「元どおりになるよ」という言葉がとても辛い。

だって壊れたものは元どおりにはならないし、新しい芽が出たとしてもそれは前の芽とは違うから。

 

 

 

2011年の東日本大震災の時にも思ったのだけれど、

こういう時に一番先に「不要不急」になってしまう

一番優先順位が低くなってしまうのが芸術。

 

確かにダンスも音楽も美術も衣食住や仕事に比べたら不要不急かもしれない。

でも、心の健康を作ったり、安らぎを与えたりしてくれるのは他でもない芸術だと私は思う。

 

一日必死に働いて、疲れきった時に聞こえる音楽に心がホッとする。

殺伐としたニュースが連なる新聞の中に掲載されていた1枚の写真に心が動く。

 

そんな体験はきっと誰でもしたことがあると思うし、

私もどれだけ音楽とダンスと、他にも多くの芸術に救われたことか。

 

命を守るための行動と比べたら、、、というのは良くわかるけれど、

それでも「不要不急」って言われてしまうのは本当に悲しい。

 

 

2月から全ての公演もレッスンもキャンセルになって、

いつも考えることは同じ。

 

いつ舞台に戻れるのか、

いつ今までみたいに踊れるのか、

いつ私の大好きな場所に帰れるのか、

私にもわからない。

 

 

ダンサーとしての存在意義って何?

オンラインで教えることの意味って?

舞台で踊れない自分に、スタジオで教えられない私に何ができるの?

 

舞台で踊ることや、踊ることで幸せを感じる人たちから

たくさんのエネルギーをもらって、

そこでもらったエネルギーで踊る喜びをいろいろな人たちに伝えたい、

と思ってきたのに

 

エネルギーが作れなくなりつつある。

 

 

オンラインの有効性ってすごいことだと思うし、

お互い地球の裏側にいても時間を共有できる素晴らしさは今の世の中にあって本当に良かったと思う。

 

でもね、そんな素晴らしいことを感じる反面、

オンラインレッスンをやっている時、

ビデオカメラに向かって一人でレッスンしている時程、虚しいことはないのも事実。

 

誰の反応もなく、誰の笑顔も見えない中で、

一人できっと見てくれているであろう人たちのことを想像しながら話して踊り続ける日々。

 

早く直接会いたいなぁ、一緒に踊りたいなぁって思いながら

がむしゃらにオンラインレッスンをしてビデオを撮ってきたし、

どうにか今を乗り越えれば、と思ってきたけれど

長期的に見たらそろそろオンラインだけ、

ビデオだけに頼るのは限界なのかもしれない。

 

オンラインやビデオレッスンは対面レッスンをしていく中での

一つのツールとして活用することはありだと思う。

だけれど、それだけに頼ってしまうことにどうしても違和感が隠せない。

 

 

 

どこにも正解はないし、

どこにも解決方法はないし、

気長に待つしかないことだと思うけれど、

 

私は私なりに、大切なものに正直に向き合っていくしかないのだと思う。